市ノ宮(いちのみや)家。

それは、日本の中でも有数の旧家だ。

江戸時代初期、初代当主が誕生し、その後は、目立たず、慎重に、受け継いで来た。

かつて、明治時代のときは、男爵家でもあったらしいが、今は、大きな洋館と古風な価値観が残っている以外は、特に、何もない。

私は、そんな市ノ宮家42代目当主のお父様と室町時代から続く、市ノ宮家よりももっと旧い伯爵家だった松城(まつのじょう)家のお母様の間に次女として誕生した末の娘だ。

昔で言うなら、伯爵令嬢の母を持つ男爵令嬢と言えば、伝わりやすい。

7歳年上の姉は、私達の従兄、松城家の嫡男に嫁いで、5歳になる男の子を産んでいるため、あちらでは、大変、大切にされているらしい。私は、我が家よりも厳格らしい松城家に従兄が好きだからと嫁いで行った姉が不思議だ。

3歳下の弟、今、高校2年生の彼は、この家を継ぐため、必至に勉学に励んでいる上に、それなりの名家のひとつ、紺条家のお嬢様と婚約を結び、20歳になると同時に、結婚するという約束をかわしている。幸い、仲睦まじい幼馴染同士のようで、婚約破棄にはならなさそうだ。

さて、私は、いったい、どうすれば良いのか。私には、許嫁もいなければ、跡継ぎというわけでもないため、比較的、自由にしているが………

「私と、結婚を前提に付き合ってませんか?」

「ええと………私と、ですか………??」

この目の前の現状は、いったい………?

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最終更新日

2021年09月17日 17時40分

掲載日

2021年09月17日 15時09分

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