あなたの恋はどこから? ——————私は鼻から。

 洗濯場へ向かう近道にと裏庭を突っ切っていると、どこからともなくかぐわしい香りが漂ってきた。
 誘われるようにふらふらと足を運べば、そこにあったのは陰干し中の甲冑。
 甲冑があることに不思議はない。この屋敷の主人は騎士団長なのだから。

 周囲に人目がないことを確認すると、無意識に込み上げた唾液を飲み込んで、ふぅぅと息を吐き切り。
 一思いにガポッと兜を被った。

 すぅぅぅぅぅぅ……っ!

「っはぁぁ……。…………ふふっ、くふふっ……」

 気分の酩酊するような芳醇な香りに思わず笑みが零れる。
 夢中になって深呼吸を繰り返す私には、真っ直ぐこちらに近づいてくる人影のことなど気付きようもなかった———。


欲望に忠実な行儀見習いのリヴェリーと厳格な主人の騎士団長グレニスが、吸ったり吸われたり(?)するかもしれないラブコメディ。



■2022.4.17.より、完結まで毎日更新!
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最終更新日

2022年04月23日 07時19分

掲載日

2021年12月12日 11時45分

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